グアテマラ、ウェウェテナンゴ県にある先住民族コミュニティの子どもたち。「学校はすごく好きだけど、一日中遊べるから休日も大好き!」と子どものひとりが声を上げます。休暇前の最後の登校日。教室内に響く明るい笑い声が、地球の裏側まで聞こえてきそうです。
©UNICEF/UNI328446/Willocq
巻頭言
『兼高かおる世界の旅』『すばらしい世界旅行』『驚異の世界・ノンフィクションアワー』……。海外旅行が「夢のまた夢」だった時代。
お茶の間と世界をつないでくれたのは、ブラウン管テレビの小さな画面や、新聞。ときに本棚の半分近くを占拠していた百科事典。地球儀や世界地図。書店に並ぶ旅行記や写真集。そして、(これはごく一部の方々に限った話かも知れませんが)雑音だらけの短波ラジオからの海外放送くらいだったでしょうか。
あれから約半世紀。いつの間にか「リビング」と呼ばれるようになった部屋のみならず、寝室や浴室にまで進出するようになったテレビはもちろん、たとえば電車を待つ間にスマートフォンでも、リアルタイムで世界中の名前も知らない場所とつながることができるようになりました。街中には様々な国のレストランが並び、コロナ禍前には、多くの外国の方を見かけるようになっていました。半世紀前には想像もできなかった時代です。
でも、私たちは、今、世界とつながっているのでしょうか? そもそも、〈世界とつながる〉とはどういうことなのでしょう。
昨秋「世界の子どもと出会う」をコンセプトに常設展示をリニューアルしたユニセフハウスでは、ご来館の皆さまに「すべての子どもに必要なことは?」と問いかけています。「たべる」「あそぶ」といった子どもたちの普遍的な姿を捉えた映像や写真、触れて感じる体験型コンテンツ、紛争や児童婚などの社会課題の影響を受ける7人の子どものストーリーなどを通じ、世界の子どもたちと自分との〈ちがい〉と〈おなじ〉を見つけ、日本の子どもたちもふくめた「すべての子どもに必要なこと」を考えていただくことを意図しました。自分なりの答えを見つけてもらえるよう説明を最小限に抑えた展示ですが、すでに日本各地から修学旅行などで足を運んでくれた多くの子どもたちが想像力や共感力を働かせ、世界の子どもたちに出会い、世界とのつながり方の糸口を見出してくださっているようです。
ユニセフニュースも、世界のユニセフの活動現場や子どもたちと皆さまを〈つなぐ〉冊子として、本号はあらためて「世界の子どもと出会う」をテーマにお届けいたします。
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編集後記
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「この地球は先祖からゆずり受けたものではない。未来の子どもたちから借りているものだ」(アメリカ先住民)
ニューヨークのユニセフ本部に掲げられていたこの言葉が、昨秋から、東京のユニセフハウス1~2階をつなぐ階段の踊り場を飾っています。ユニセフハウスを可能な限り「世界の子どもと出会う場所」にするため、当初、ふたつのフロアを子どもにまつわるさまざまな世界の金言でつなぐことをもくろみました。
アフリカ大陸で古くから言い伝えられてきたもの、百年も前に「子どもの権利」を唱えていた日本人の言葉など、インターネットでちょっと調べただけでも、結構な数が見つかりました。
とは言え、階段は、しっかり下を見て歩いていただかなくてはならない場所。安全を最優先に、先の一言に絞りました。
お蔵入りとなった金言も、いつかどこかで紹介できれば。
©UNICEF/UNI328446/Willocq、©日本ユニセフ協会、© UNICEF/UN055883、©UNICEF/UN0689300/Fricker、©Sayaka Usui、岩波書店、©岡山ユニセフ協会、©日本ユニセフ協会、© UNICEF/UN0698138/Hussain/AFP