ユニセフのスタッフが、ニーズ調査のため訪れたアルメニアの村の幼稚園で女の子に話しかけているところ。ユニセフはこうして直接対話から必要とされることを見つけ出し、他団体と協力して、幼稚園の改修・改装をしたり、必要なおもちゃや教材をそろえたりしています。
© UNICEF/UN0574910/Mahari
巻頭言
2001年7月のオープン以来、20年以上にわたり40万人の方々にお越しいただいた「ユニセフの支援現場を再現した世界唯一の場所」ことユニセフハウス(東京都港区)1、2階の展示スペースが、2022年10月3日に内容を一新し、リニューアルオープンしました。
新しい展示スペースのテーマは「世界の子どもと出会う場所」。遠い場所に生きる、自分とは〈ちがう〉存在に捉えがちなユニセフの支援の先にいる子どもたちに出会い、その子どもたちと自分が〈おなじ〉存在であることに気が付くような体験をしていただければとの想いをもって、ユニセフのアーカイブにある膨大な量の写真と動画、データを用い、すべての展示物をゼロから作り直しました。
大きく3つに分けられた最初の展示区画は、2017年に公開されたドキュメンタリー映画『いのちのはじまり』(ユニセフ制作協力)の映像が流れる「うまれる」と題したコーナーから始まります。こちらでは、映像のなかの赤ちゃんも、ご覧になっている方々も、それぞれが、おなじ地球に生きる約80億人のうちのひとりであることを感じていただけます。続いて登場するのは「たべる」「あそぶ」「まなぶ」の各コーナー。双方向型の要素を取り入れた展示を通じて、自分と〈おなじ〉今を生きる世界の子どもたちに出会えます。
この区画の締めくくりには、当初、「参加する」と題するコーナーを計画していました。子どもの権利条約の第12条「意見表明権」や「子どもの参加」を表現すべく、国連総会で発言する子どもたちや気候変動問題に声を上げる若者との出会いを想定していたのです。しかし、検討の過程で「それだけで足りるのか?」という疑問の声があがります。泣いている赤ちゃんも、音楽や絵画、ダンスをしている子どもたちも、何かを伝え、表現しようとしているのではないか……?
子どもの声─「声にならない声」も含めそれを受け止めるのは、私たちおとなに課せられた責任です。
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特集
おなじ社会を生きるひとりとして
for every child
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世界の現場から
未来に向けて声をあげる
《エチオピア》
unicef file データから見る成果
U-Report
face 世界で働く日本人職員
ユニセフ東京事務所副代表/ユニセフ・ブルガリア事務所
根本巳欧
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テーマ「子どもの声」
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ウクライナ緊急人道支援活動報告
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─物資の提供だけではない栄養改善のサポート─
地域の活動から
岐阜県ユニセフ協会
2022.10.1
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2022.10.1
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編集後記
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「出張や旅行で海外へ」という話が聞こえ始めました。
コロナ前は、ユニセフのトップも毎年のように来日。瓦礫が残る東日本大震災の被災地を訪れた最初の国連高官も、ユニセフのレーク事務局長(当時)でした。
ユニセフハウスを訪れた時、若手職員が問いました。「子どもの権利条約12条は、子どもの意見を全て尊重しなくてはいけないと言っているのですか?」
「もし孫がご飯も食べずにお菓子だけ食べたいと言っても、お菓子を取り上げるよ。子どもに何が一番大切かを考えることは、おとなの義務だから」とレークさん。
「子どもの権利は子どもをわがままにする」。そんな考え方は、レークさんの母国の米国にもあるそうです。
「子どもの権利条約」は、子どもの基本的人権を守る〈おとなに課された義務〉を記した国際法です。心配されるべきは、むしろ〈おとなのわがまま〉かもしれません。
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