バングラデシュのジャマルプールに住むモサマット・ファルガナさん(16歳)には1歳2カ月の息子がいます。彼女は13歳のとき、30歳の夫と結婚しました。幼い体での出産は大変でしたが、義理の家族は彼女の健康を気遣うことなく、避妊薬も取り上げてしまいました。彼女は次の子どもを身ごもっていて、体調不良に苦しんでいます。
© UNICEF/UN0432502/Bronstein
巻頭言
第二次世界大戦が終わり80年となる今年、当協会は、財団法人(2011年以降は公益財団法人)としての歩みをはじめてから70年の節目の年を迎えます。
「節目」とは、物事の区切り。「流れを変える大きなきっかけ」ともいわれます。
当協会があらたな一歩を踏み出した翌年の1956年、全国各地の小中学校で「ユニセフ協力募金」がはじまりました。1956年といえば、まだ日本では脱脂粉乳に代表される支援をユニセフが子どもたちに届けていた時期。日本の国連加盟(1956年12月)よりも前の出来事です。にもかかわらず、「世界の子どもたちのために」と日本中の子どもたちが当時の金額で総額1250万円もの募金をユニセフに託してくれたのです。「ユニセフ・マンスリー・プログラム」をはじめ、本誌読者の皆さまにさまざまな形でご参加、ご協力いただいている「ユニセフ募金」はここからはじまりました。
ウクライナやガザで続く人道危機。気候変動。貧困。格差。暴力。メンタルヘルス問題……。ユニセフは「いま、世界中で子どもの権利への逆風が吹いている」と訴えます。日本も例外ではありません。しかし「こども基本法」の施行や「こども家庭庁」の設置に代表されるように、これまでにない規模で社会の関心が「子ども」に寄せられているのも事実でしょう。当協会も昨年、こども家庭庁とともに「こどものけんりプロジェクト」をスタートさせました。
日本の子どもたちがはじめた活動は、70年を経て、今日も世界中で厳しい状況に置かれている子どもたちの命と健康を大きく支えています。日本におけるユニセフ活動の大きな「節目」となる今年。皆さまとともに「次の10年、20年に残るもの・続くこと」に取り組んでゆきたいと存じます。引き続き、お力添えください。
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今年は、女性の貧困や教育など12分野のジェンダー平等に向けた目標を掲げた行動綱領が採択された「第4回世界女性会議(北京女性会議)」から30年の「節目」の年でもあります。本号では、世界の女の子をめぐる「流れを変える」ユニセフの取り組みをご紹介します。
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編集後記
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ひさしぶりに女の子に焦点を当てて特集を組みました(2019年の春以来)が、いかがでしたか。
昨年は、日本で初の女性弁護士・判事として活躍された三淵嘉子さんをモデルにした朝ドラ『虎に翼』が話題を集めました。
英国の公共放送局BBCが提唱する、出演者のジェンダーバランスなどに配慮した作品づくりに取り組む「50:50 The Equal Project」」の参加番組ということもあったのでしょう、いまも残る女の子や女性にかかわる課題以外にも、さまざまなことを考えさせられた作品だったように思います。
寅子と友人たちが発した数々の言葉に、共感や感動、ときに、現状がいまも変わっていないことへの憤りを覚えたご同輩も少なくないのでは?
「男か女かでふるいにかけられない社会になることを私は心から願います。いや、みんなで(そんな社会に)しませんか?」(第30回 寅子の台詞から)
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