日本ユニセフ協会専務理事 早水研より ご支援者の皆さまへ
ご支援の御礼と協会の取り組み
日本ユニセフ協会
専務理事 早水 研
2023年度(1〜12月)は、前年2月にはじまったウクライナ危機が終わりを見せないなか、トルコ・シリア地震やパレスチナのガザ地区での武力衝突など、大規模な人災、天災が絶えない1年となりました。当協会はそれぞれの危機に即応、緊急募金を立ち上げ、皆さまから前年に次ぐ、過去2番目の緊急募金額となる62億円を超えるご支援をいただきました。また、ユニセフ事業の根幹を支える、使途を限定しない通常募金の着実な成長にも尽力した結果、過去最高の222億円余りのご協力をいただきました。募金総額は306億円余りと、2年連続して300億円を超え、その86・7%にあたる266億円余をユニセフの事業資金として拠出することができました。マンスリーサポーターの方々をはじめとする読者の皆さまの変わらぬご支援に心から感謝申し上げます。
また、5月に新型コロナが5類感染症に移行し日常生活の制限がほぼなくなったことから、「スクール・フォー・アフリカ」報告会を対面で開催。多くのサポーターの方々にお越しいただきました。ユニセフハウスの新常設展にも多くの見学者をお迎えでき、一方で、これまで強化してきたデジタルを利用した広報・啓発活動も継続し、ご協力者の着実な増加につなげています。全国の学校では、当協会が提供しているSDGs副教材と特設サイトを使った授業の展開が進んでいます。
日本の子どものためのアドボカシー活動では、「子どもの権利条約」をベースとした子ども政策の強化を政府に訴え続け、4月の「こども基本法」施行と「こども家庭庁」の発足を迎えることができました。その後も、関係省庁や自治体に強力に働きかけ続けた結果、子どもの権利を中心に据えた、文科省による「生徒指導提要」の全面改訂や、年末に閣議決定された「こども大綱」の制定につなげることができました。すでに5つの自治体で進められている「子どもにやさしいまちづくり事業」でも、新たに愛知県豊田市が正式に候補自治体となるなど、着実な展開が図られています。また、「子どもの権利を大切にする教育」の全国の学校現場への展開も強化しています。