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世界各地で続く紛争や武力衝突。2024年も多くの死傷者を出し、何百万人もの人々が故郷や家を追われました。子どもたちは、二度と戻らない「子ども時代」を失い、心にも見えない傷を負っています。学校は爆撃され、電気、水、通信などのインフラも破壊され続けています。パレスチナのガザ地区、およびウクライナで、皆さまからのご寄付をもとにユニセフが展開する緊急支援活動をご報告いたします。
ガザ地区の保健省によると、2023年10月以降、パレスチナ人の死者は4万2000人以上。負傷者は9万7000人以上。また、負傷者の約4分の1は、一生にわたるリハビリや介助が必要なほどの重傷を負っているとしています。
昨年7月、25年ぶりにポリオ感染が確認されたことを受け、ユニセフは9月1日から12日にかけて、10歳未満の子ども約56万人にポリオワクチン1回目の緊急予防接種を実施。子どもとスタッフの安全を確保し、接種を確実に実施するため、ほかの国連機関とともに特定地域で1日9時間の戦闘の人道的休止を紛争当事者に働きかけるなど、入念な計画と調整を経て行いました。
ユニセフはまた、ガザ地区の200万人に飲料水や生活用水を供給するため、避難所へのトラック輸送やペットボトルの配布、井戸や海水淡水化プラントの稼働に必要な燃料も提供。さらに浄水用の塩素錠剤や水の容器の提供のほか、石けんなどの衛生キットも配布しています。
紛争激化以来、ガザ地区内ではすべての学校が封鎖されており、64万5000人の学齢期の子どもたちはすでに1年間の学習機会を奪われました。校舎の9割は避難所として使用されていますが、その多くは戦闘や爆撃により深刻なダメージを受けています。教員も400人以上が亡くなり、教育の再開はむずかしい状況です。ユニセフは39カ所の避難所に一時的な学習スペースを開設。1万2千人以上の子どもたちが学習やリクリエーション活動に参加しています。
2022年2月に武力紛争が激化したウクライナで、現在、人道支援を必要としている子どもは290万人以上にのぼります。紛争が始まって以来、2千人近くの子どもの命が奪われました。また、現在も約600万人が周辺国に避難しており、そのうち88%が女性と子どもです。
ウクライナ全土で約400万人の子どもが教育を中断している状態にあり、約60万人の子どもは学校に通って対面の授業を受けることができていません。教育施設の10カ所に1カ所以上が戦災にあい、5カ所に1カ所以上が防空壕を利用できないために閉鎖を余儀なくされています。そんななか、ユニセフは昨年8月末までに37万939人の子どもたちを対象に教育支援を提供してきました。
戦争は子どもたちのメンタルヘルスにも多大な影響を与えています。13歳~15歳の半数が睡眠障害を抱え、5人に1人が心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を抱えていると推定されており、ユニセフは、昨年8月末までに47万人以上を対象に心理社会的サポートを提供。ソーシャルワーカーと心理士で構成した巡回チームを各地に派遣し、子どもとその家族のメンタルヘルス問題をサポートするなど、さまざまな支援を提供しています。
またユニセフは、地雷やそのほかの爆発性兵器の被害を受けた子どもとその家族に包括的な支援を提供しています。2024年は411人がその支援を受けました。
昨年はほかにも、中央アフリカ共和国、スーダン、イエメンなど、あらたな紛争の勃発や長期化する紛争が、自然災害を含むほかの壊滅的な危機と重なった一年でした。
気候変動は、深刻な干ばつや熱波を引き起こし、子どもたちの生活に大打撃を与え続けています。そしてこうした状況が、あらたな紛争の種を蒔いていることも事実です。
皆さまのご協力は、ガザ地区やウクライナのみならず、日々のニュースが伝えないそのほかの多くの国や地域でも、ユニセフの活動を大きく支えています。
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