ウクライナ、リヴィウの子どもリハビリセンターにて。自閉症スペクトラム障害をもつテオナちゃん(4歳)と母親のヴィクトリアさん一家は、ロシアによる爆撃を逃れ、自宅から避難してきました。このセンターでは、ユニセフのプログラムの一環で、障がいのある子どもを抱える国内避難民家族の相談に乗り、新しい土地に適応できるよう支援しています。
©UNICEF/UN0769515/Bobyreva
巻頭言
昨年7月、NHK Eテレの子ども向けSDGs番組「あおきいろ」内で放映されている「おしえて! せんせい」に、今シーズンもドイツのプロサッカーリーグで歴代最年長出場記録を更新し続ける長谷部誠選手が登場しました。
このコーナーでは毎回、子どもたちから届いた素朴な疑問や悩みに、各界の著名人が返事を書くという形で答えます。3分ほどのミニ番組ですが、NHKの担当者によれば「寄せられる質問や疑問が素朴なだけに、内容はときに哲学的で、出演する皆さんも真剣に返事を考えている」とのこと。日本ユニセフ協会大使としても長年活動する長谷部さんには、7歳のゆうまさんから寄せられた「なぜ人やモノを大切にしなければならないの?」という質問が届けられました。
長谷部さんは「僕も日々向き合っていますよ。まだまだ大切にできていないことも多くあると思います」と話したうえで、自らがサッカー選手として活躍できるのは、サポーターや試合を支える多くの関係者がいるからだとゆうまさんに伝えます。「なんでこんな話をするかというと、自分以外の人やものを大事にしようという気持ちの根底に『感謝』という気持ちがあると、すばらしいと思うからです」
そして最後にこう呼びかけました。「自然や人に感謝し、大切にしていきましょう。それは、自分にとって人生の財産になっていくと思います」
気候変動やコロナ禍、そしてウクライナやパレスチナ・イスラエルの危機。国連事務総長が「究極の嵐」と呼ぶ複合的な危機に地球全体が直面する今だからこそ、「なぜ人やモノを大切にしなければならないの?」という問いに対する答えが、私たち一人ひとりに求められています。
本号では、長年にわたり、そして今まさに、世界の子どもたちを支えてくださっているご支援者の皆さまの声もご紹介しながら、この答えにつながるヒントを見つけていきたいと思います。
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編集後記
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「社会福祉原論」という学問があります。
なぜ人は人を助けるのか? 社会福祉・社会保障という仕組みを作ってきたのか? さまざまな角度から考察する学問です。
この学問の権威に、「先生は、チャリティ(慈悲・慈善)という考え方は否定されますよね?」と問うたことがありました。
敬虔なクリスチャンの名誉教授は、とても柔らかに、説得力をもって、若気の至りから出た極端な考えを正してくださいました。
ユニセフにも「チャリティ」ではなく、「子どもの権利」を前面に出して支援を呼びかけるべきとおっしゃる方がいます。
とはいえ、そんな方々も、この世界に飛び込んだきっかけは、頭より先に心が動いたからという人が多いんですよね。
人を助ける仕事の現場で求められるのは「熱き心と冷たき頭」。名誉教授の優しい語り口がなつかしく思い出されます。
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