アフガニスタンの首都カブール郊外。若く勇敢な教師のもとで女の子たちがひっそりと学んでいます。2021年8月にタリバンが政権を奪還して以来、女子の中等教育が再び禁止され、100万人以上が教育の機会を奪われました。しかし、彼女たちの学びたいという強い意欲と、周囲のおとなたちの勇気が、教育の火を絶やさずにいます。UNICEF Photo of the Year 2022入賞作品。
©Daniel Pilar, Germany, FAZ, Agency laif
巻頭言
「東日本大震災の被災地で第1号となる入学式と始業式が宮城県女川町で本日予定されていましたが、(前晩の)地震の影響で延期する運びとなりました」
─2011月4月8日付の当協会ホームページ東日本大震災第28報は、こんな文章で始まっています。
岩手・宮城・福島の3県で被害を免れた学校という学校が避難所として使われるなか、東北では、ユニセフから派遣されていた専門家たちも驚く早さで、学校再開に向けた準備が進められていました。自らも被災した学校関係者、自治体の方々の懸命な努力は言うまでもありません。再開を後押ししたのはさらに、体育館や教室を生活の場とされていた被災者の方々の、自分たちの居住スペースを削ってでも「子どもたちのために学校の再開を」という強い思いでした。
「今、教育は危機的な状況にある。世界の10歳児のうち、簡単な文章を読んで理解できるのは、わずか3分の1にすぎない」。ユニセフは2022年9月、3年にわたる新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)がもたらした教育危機に、警鐘を鳴らしました。
昨年来日したユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、しかし、記者の質問に答えて次のように語っています。「状況は深刻ですが、私たちはこの課題の克服方法をすでに知っています」
「パンデミックが起こる前、国際社会は世界の子どもたちが直面していた様々な問題を着実に克服していました。予防接種が普及し、5歳未満児の死亡率は低下し、就学率も大きく改善していたのです。ですから私たちの目の前にあるのは、決して新しい課題ではありません」
支援の方法はわかっています。12年前の東北の方々のように、国際社会が強い思いを持てば、この教育危機は乗り越えられる。そんな希望のもと、本号をまとめました。
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2023.4.1
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編集後記
読む
昨年もインターネットで読者アンケートを実施し、毎回貴重なお声を頂戴しました。ご回答いただいた皆さまに心から御礼申し上げます。
「ユニセフ・マンスリー・サポート・プログラムを始められたきっかけは?」の問いかけに、本当に様々なお答えを頂戴しました。いつか誌面でも紹介できればと考えております。
「資源の節約のためにも紙版はやめて、送料も世界の子どもたちの支援に」。毎回多くの方からご意見を頂戴します。
一方、「(年齢や障がい、機器の不備などのため)デジタル版は読めない。紙版は続けて欲しい」「紙版の方が、家族や知人に勧めやすい」といったお声も頂戴します。
どちらも大切なお声です。現在の形を基本にどこまでご期待にお応えできるか─模索を続けます。
©Daniel Pilar, Germany, FAZ, Agency laif、©UNICEF/UN0702139/Karki、©UNICEF/UN0539162/Leul Kinfu、©NHK、©UNICEF/UN0738788/Jurkiewicz、©Kenji Ohira、©Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009, All rights reserved.、©岩手県ユニセフ協会、©Eduardo Soteras,Argentina, AFP(Agence France Press)