日本ユニセフ協会専務理事 早水研よりご支援者の皆さまへ
ご支援の御礼と日本ユニセフ協会の取り組み
日本ユニセフ協会
専務理事 早水 研
2022年度(1~12月)は、ウクライナ緊急募金に97億円ものご支援が寄せられたこともあり、日本ユニセフ協会の募金総額は、対前年比+40%、333億円を超える額となりました。また、「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」の募金が充てられる、ユニセフの活動の根幹となる「通常予算」(支援先の国や地域、分野を限定しない予算)への貢献についても、本部の報告書で当協会からの拠出額が政府、民間を問わず世界一となったことが報じられました。世界の子どもたちへのご関心とご支援の輪が日本国内で確実に広がっていることをとてもありがたく、うれしく感じております。あらためて、ご支援くださいました皆さまに心から感謝申し上げます。
当協会は募金活動に加え、〈誰ひとり取り残さない〉を掲げるSDGsとも密接に関わる、日本の子どものためのアドボカシー(政策提言)活動にも力を入れていますが、昨年、大きな成果が見られました。6月の「こども基本法」と「こども家庭庁設置法」の成立です。これは、日本の子どもたちの精神的幸福度が先進国の中で非常に低いことを明らかにした2020年のユニセフの報告書(レポートカード16)が、大きな反響を呼び、政府と国会を動かしたことによると言えます。また、「子どもにやさしいまちづくり事業」(CFCI)では、5つの自治体がいよいよ正式な実践自治体となり、さらにいくつかの自治体がこの取り組みに参加の意向を表明しています。こうした社会的機運の高まりを受け、教育現場における子どもの権利の推進を提唱する「子どもの権利を大切にする教育」(CRE)の具体的な試みとして、子どもが中心となった「学級憲章作り」が西東京市の小学校で行われ、その経過を広く全国の学校に提供するなどの努力も続けています。
10月には当協会1、2階の展示スペースを「世界の子どもと出会う場所」として全面リニューアルし、すでに修学旅行の目的地として多くの生徒さんが訪れるなど、活用されています。読者の皆さまも、東京・品川駅7分にありますユニセフハウスの展示をご覧いただきたく、お待ち申し上げております。